2012年3月30日金曜日

トレイヴォン・マーティンの死

「今日はたまたまナイフを持っていました。すると近くにゴツくて、NEW ERAを被り、パーカのフードを被って、腰履き、体にTatooの入ったB-BOYがいました。そのB-BOYが自分の方に近づいてきたので危害を加えられると思い、怖くなり持っていたナイフで刺しました。しかしそのB-BOYは道を訪ねようとしただけでした。B-BOYは亡くなりました。刺した方は正当防衛を主張し実際の刑より軽い刑で済みました。」

いきなり突拍子もないことを言って申し訳ないです。
でもこれどう思いますかね?


2月26日、フロリダのサンフォードという白人地区に、父親を訪ねていた17歳の黒人青年、トレイヴォン・マーティンが、近所のコンビ二にキャンディとアイスティを買いに行った帰り道、ジョージ・ジマーマンという近所の番人キャプテンを自称する、暴力遍歴を持つ28歳の白人男性に、不審人物とみなされて追跡され、銃殺された。青年は武器を所持していなかった。
しかも自己防衛を主張するジマーマンは、その後、逮捕もされていない。
Trayvon Martin


2月26日に起きた事件の内容はざっとこんな感じです。
冒頭にありました文は日本で起きたらこのような感じかと思い、出来るだけ近づけてみました。
でも実際にこんなこと日本ではありえません。
もちろん「怖い」と言うところまではわかりますが、刺したりなどはほとんどないでしょう。
アメリカの場合は有色人種の”イメージ”ということだけで撃たれてしまいます。

黒人が雨の夜にフードを被る=薬の売買、強盗などのイメージ。


実際には私なんかのBlogよりも塚田圭子さんというライターの方がBlogにまとめてくれています。


ここからはもうちょっと詳しく。。。
事件はトレイヴォンが訪れていた親戚の家があるフロリダのGated community(部外者が入れないよう、コミュニティがフェンスで囲まれ、警備員が常駐の高級住宅地)で起きています。黒人である以上、ゲットー/リッチ関係なく、こういうことが起こってしまうようです。

フロリダ州には「自分を脅かしていると思える相手は撃ってよい」という法律があり、それが犯人未逮捕の理由のようです。この法律が制定された2005年、フロリダ州知事はブッシュの弟ジェブ・ブッシュでした。

トレイヴォンは黒人『なのに』雨の夜にコンビニに行ったりしたから殺されました。
しかもそれがフロリダ州だったから『ツイてなかった』ととられるようです。
今現在もこのBlogを書いていながら頭がこんがらがってきます。
50年以上前の歴史と特に変わり映えがないからです。
もちろんこれは一部に過ぎませんが一部であろうがこんなことは絶対あってはなりません。
現在は犯人よりも、犯人を逮捕せずに釈放した警察に非難が集中しているようでフーディをきてトレイヴォンの正義を求めるデモも行われました。
その様子です。


一部を抜粋しましたが多くの写真、動画がこちらにアップされております。



オバマ:事件の全容がまだ不明なので一方的に犯人を責めることはせず、事実を解明を求め、何故こんなことが起こったのか、深く考えなければならないと示唆。しかし「もし私に息子がいたら、トレイヴォンに似ていただろう」は非常に強い意味を込めたメッセージ。

これを人種対立にしてはいけないのですが、大統領の意図は黒人たちの痛みの共感と、こういった事態が今も起こる真の理由を考えようということではないかと思います。


またこの事件をうけて多くのアーティストからトレイヴォンへの追悼曲をアップしています。
Super Life (Trayvon Martin Tribute)
Chaka Khan ft. Eric Benet , Kelly Price , Luke James , V. Bozeman


歌詞見てください!
We Are Trayvon [LYRICS] - PLIES 


TRAYVON MARTIN TRIBUTE - PAPOOSE 


Trayvon - Jasiri X 


"The Prey"(For Trayvon and my son) - Reef The Lost Cauze


Justice for Trayvon Martin RIP-Citizens Arrest PoPo & Zimmerman-Hip Hop Poetry






この事件をうけてアーティストが怒りを表明



Prince




この事件を受けて日本ではHIP HOP関係者が何も声にしていないことに驚きを通り越して怒りを感じます。
トロイ・デイビス の事件からもあまり日が経ってないのにこの事件に関心を寄せないということはどういうことなのでしょうか。
日本にいて日本のHIP HOPが好きだから、日本語でラップしてるから別にいいというような問題ではない気がします。
日本におけるHIP HOPも同じ扱いを受けてきたのではないのでしょうか。
これは差別だけの問題ではないと思います。
日本でもプロレタリアート の急増で教育や生活で俗世についていけず苦しんでいる人がたくさんいるとともに若年者の犯罪も多くなっています。
私なんかがこんなこと言ってもしょうがないですが、アメリカ在住のライターさんだけではなくてもっと影響力のある日本のラッパーにも声にしてもらいたいものです。

これはもちろん強制ではありませんがブラックミュージック、HIP HOPが好き。ブラックカルチャーが好き。日本語ラップが好き。とツイッターのプロフィールに書いてある方が多いですが、そのようなカタチが好きなだけではなくて、ルーツ、過程、社会、生活まで含めて好きになってみてはいかがでしょうか。(長年聴いている人は特に)
本当はHIP HOPというものはそれほど深いものだと思います。

今年2月に起きた、池袋BEDでのガサ入れがありましたが、たしかに警察側のやりすぎも目に余りますが、それ以前の問題も考えてみてはいかがでしょうか。

夜中のクラブで悪そうなB-BOY、B-GIRLがたくさん集まって踊る=犯罪、薬の売買
黒人が雨の夜にフードを被る=強盗、薬の売買


どちらもイメージ先行でとられていて、違いはないと思います。

あの時散々ツイートしていたラッパーでもこの事件はスルー。
自分や自分の近くに起きた問題だから声にするのでしょうか。
多くなくても少しはこの事件について声にしてくれるラッパーがいてほしかったというのが私の心情です。

もしこのBlogを見たHIP HOP好き、ブラックミュージック好きの方がいらっしゃいましたら(そうではない方も是非)少しでいいので考えてみてください。

昔より良くはなりましたが日本におけるHIP HOPがいまだにマイノリティな文化であることは事実です。

そんな先入観やイメージがあることは仕方がないことですが、そんなもの払拭できるくらい素晴らしい音楽や文化こそがHIP HOPでしょう!
少なくとも私はそう信じています。


なお犯人のバックグラウンドがなかなか出て来なかった理由は父親が判事だったから手を回して逮捕させなかったとのことらしいです。
どこの国にもこのようなことがあり強い憤りを感じるとともにとても悲しいです。


なおこのBlogは様々な方のツイートやBlogや記事から言葉を抜粋した個所もございます。

BIG UP to Cotora Taira, Keiko Tsukada, Kaoru Doumoto

May your soul rest in peace, Trayvon Martin.
You'll forever live on.

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